【ネタバレ無し】「兇人邸の殺人」の感想を書いてくよ~
兇人邸の殺人という本格ミステリー小説の感想書いてきます。
今村先生の殺人で有名なのは、屍人荘の殺人ですね。
鮎川哲也賞を受賞し、映画化もしました。
そして、私が本格ミステリーに熱中するようになった切っ掛けでもあります。
今回の作品はその屍人荘の殺人の3作目となっており、2作目の魔眼の匣の殺人が傑作だったこともあり、ウキウキで購入しました。
また、機会があれば1作目、2作目の感想も書いていきたいです。
前置きは、これくらいにしてAmazonに記載されたあらすじを載っけておきます。
『魔眼の匣の殺人』から数ヶ月後――。神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と剣崎比留子が突然の依頼で連れて行かれた先は、“生ける廃墟"として人気を博す地方テーマパークだった。園内にそびえる異様な建物「兇人邸」に、比留子たちが追う班目機関の研究成果が隠されているという。深夜、依頼主たちとともに兇人邸に潜入した二人を、“異形の存在"による無慈悲な殺戮が待ち受けていた。待望のシリーズ第3弾、ついに刊行!
如何でしたか?
いや~今作も葉村君と剣崎さんの互いに思いやる関係が見えていてトキメキながら読んでいました。
魔眼の匣の殺人では、剣崎嬢は葉村を守るために、殺意の矛先を他者に反らしたことで、葉村の探偵・相棒としての信念や信頼感が傷付けられ、わだかまりができていました。
しかし、前回は剣崎嬢が積極的に動き主人公をしていたのに対して、今回は葉村が主人公として物語を引っ張っています。
剣崎嬢が動けない状態が続いている際は、情報収集・推理を行っており屍人荘の時に比べ数段階逞しくなっています。
恋人でもないのに、互いに命をかけて相手を守ろうとする関係は見ていて羨ましくなります。
このように、今作では人間関係の発展にも焦点を当てた内容となってます。
肝心のトリックも今村先生らしさが出ていて好きです。
1・2作でお馴染みのクローズドサークルで事件は起きます。
今回は趣向をやや変えており、出ようと思えば出られる心理的なクローズドサークルとなっているのは面白いです。
斑目機関の遺物がまた登場し、その特性を生かしたトリックを用いており、私の好きな特殊設定物ミステリーとなってます。
閉ざされた空間で疑心暗鬼となり、次々と殺されていく…。現代風の設定と古典的な展開が混ぜられておりスラスラと読むことが出来ました。
以上が感想でした。長々と駄文書いたのでそろそろこの作品の評価を行います。
星5個を満点とした場合…
★★★★★ 星5個です!!
前作で崩れてしまった人間関係が修復し、より強固となっていくのは良かったです。今後も2人の関係を見守っていきたいと思える内容でした。
トリックも良かったです。古典的なトリックを特殊設定を用いることで見抜けなくなりました。
いままでの舞台よりも、広い空間で次々と殺人・トリックが組み込まれていて何度読んでも楽しめる作品となっています。
面白かった!!
読んで下さってありがとうございました。ではノシ