ミステリー小説感想のブログ

密室殺人だとかのトリックを使ったミステリーが大好きなので、感想・評価を行っていきます。

【五色の殺人者】の感想書いてくよ~ 鮎川哲也賞

千田 理緒さん執筆。五色の殺人者という本格ミステリー小説の感想書いてきます。


この作品は、第30回(2020年度)の鮎川哲也賞に受賞されました。
鮎川哲也賞って皆さんは知っていますか?東京創元社が主催する新人文学賞なんです。受賞作を何冊か読んだことがありますが、どれもレベルが高く読んで損は無い作品ばかりです。


前置きは、これくらいにしてAmazonに記載されたあらすじを載っけておきます。

介護施設・あずき荘で働く、メイこと明治瑞希はある日、利用者の撲殺死体を発見する。犯人を目撃したのは、同じく利用者である五人の老人。しかし、犯人の服色は「赤」「青」「白」「黒」「緑」と、なんとバラバラの五通りだった! 同じ部屋から目撃したのに、なぜ証言が食い違うのか? ありえない証言に加え、見つからない凶器の謎もあり、捜査は難航する。そんな中、メイの同僚・ハルが片思いしている相手に犯人の容疑をかけられる。メイはハルに泣きつかれ、ミステリ好きの素人探偵として事件解決に乗り出すことになるが……。


如何でしたか?今回のトリックの肝は食い違う服装の「色」です。私は、色の見え方が人とは違う色弱を用いた科学的な内容を扱う作品なのかな?と思ったのですが、違いました。
介護施設勤務経験がある作者さんだからこそ書けるトリックでした。

見つからない凶器の謎やその後発覚するアリバイの食い違いも介護施設で働いていたからこそ書けた内容だと感じます。

私も介護施設に勤務しているのですが、施設内の描写(周囲の環境や勤務体系)は本当にリアルでした。介護の大変さと施設利用者によりよいサービスの提供を行いたいという思いも作品からは読み取れて、読んでいてほんわかしました。

そんな介護要素満載で肝心のトリックも難解過ぎず、認識のズレを扱っていて読者も解ける人は多いんじゃないかな?
中盤あたりで全てのピースは出ているため最後の謎解きシーンを独力で解くことも可能です。ぜひ皆さん解いてみてください。

以上が感想でした。長々と駄文書いたのでそろそろこの作品の評価を行います。
星5個を満点とした場合…



★★★★☆  星4個です!!
登場人物、周囲の環境、トリックともに素晴らしかったですが、犯行動機の薄さと…登場人物が皆良い人なので誰が犯人でも悲しい気持ちになってしまうことです…。

読んで下さってありがとうございました。ではノシ