ミステリー小説感想のブログ

密室殺人だとかのトリックを使ったミステリーが大好きなので、感想・評価を行っていきます。

【楽園とは探偵の不在なり】の感想を書いてくよ~

今回は斜線堂 有紀先生が執筆された、楽園とは探偵の不在なりという本格ミステリー小説の感想書いてきます。


この作品、2ヶ月前くらいからずっと狙ってた本なんです!!


基本的に私はTwitterでオススメのミステリー小説を見つけて、図書館で探すようにしてます。
ずっと読みたいと思ってたこの作品は、予約者もいて貸出中がずっと続いていました。
しょうがないので、本屋で買ってきた次第です…。


何故読みたかったかというと、今回のミステリーのジャンルが特殊設定物だからです!!
屍人荘の殺人や東京結合人間のように近頃のミステリーでは、この世界では起きない不可思議な設定をトリックに組み込む作品が増えてきてます。
シャーロックホームズ等を読んでた私としては、そういったジャンルは衝撃的でした。


今回は、そんなずっと楽しみにしてた作品の感想と評価行ってきます。


まずはAmazonから転載したあらすじを載っけておきます。

二人以上殺した者は"天使"によって即座に地獄に引き摺り込まれるようになった世界。
細々と探偵業を営む青岸焦(あおぎしこがれ)は「天国が存在するか知りたくないか」という大富豪・常木王凱(つねきおうがい)に誘われ、天使が集まる常世島(とこよじま)を訪れる。
そこで青岸を待っていたのは、起きるはずのない連続殺人事件だった。かつて無慈悲な喪失を経験した青岸は、過去にとらわれつつ調査を始めるが、そんな彼を嘲笑うかのように事件は続く。犯人はなぜ、そしてどのように地獄に堕ちずに殺人を続けているのか。


如何でしたか?
舞台は孤島の館!!クローズドサークルでの事件って最高にワクワクしますよね?

今回のトリックの大枠は1つ。2人殺害で地獄に連行される環境でどうやって犯行を行ったのかのみです。
登場人物は11名。最初は自分でも推理して犯人を考えてましたが死者が4人、5人、6人と増えて分からなくなりました…降参です。

最後まで読むと納得のトリックです。特殊設定をトリックにしっかりと組み込んでおり、そうきたか!!という内容でした。

トリック以外のストーリーも良かった。天使によって仲間を失った探偵が再起を図るというセカンドストーリーも組み込まれています。
心が折れた探偵が事件を通じて徐々に成長し、終盤で床に落ちたあるものを見て救われる展開はウルッときました。


以上が感想でした。そろそろこの作品の評価を行います。
星5個を満点とした場合…



★★★★★  星5個です!!
トリックは比較的簡単な物でした。しかし、特殊設定を混ぜることで不可能犯罪を作りだしていて、これだから特殊設定物を読むことを止められません。
探偵の過去もしっかり描写しており、過去を忘れずに未来に目を向けて探偵としての意義を見つけていくストーリーも素晴らしかったです。

以上が感想・評価でした。
ここまで読んで下さってありがとうございました。ではノシ

【五色の殺人者】の雑記書いてくよ~

五色の殺人者皆さん読んでいただけました?
あのタイトルは、受賞時は「誤認五色」だったらしいです。


私は今のタイトルのが好きですね。

ミステリー小説はシンプルなタイトルのが、面白い作品が多いような気がしますし、興味がそそられます。
例えば、「体育館の殺人」とか「紅蓮館の殺人」とか…
シンプル イズ ベスト


あと、表紙素敵ですよねf:id:r3InYn12CKnw1S4:20210717220312j:plain
この色使い。色を題材にしているだけあって、カラフルで綺麗。
美術館の油絵コーナーに飾られてそう


以上でまったり雑記していきました。
それじゃあノシ

【五色の殺人者】の感想書いてくよ~ 鮎川哲也賞

千田 理緒さん執筆。五色の殺人者という本格ミステリー小説の感想書いてきます。


この作品は、第30回(2020年度)の鮎川哲也賞に受賞されました。
鮎川哲也賞って皆さんは知っていますか?東京創元社が主催する新人文学賞なんです。受賞作を何冊か読んだことがありますが、どれもレベルが高く読んで損は無い作品ばかりです。


前置きは、これくらいにしてAmazonに記載されたあらすじを載っけておきます。

介護施設・あずき荘で働く、メイこと明治瑞希はある日、利用者の撲殺死体を発見する。犯人を目撃したのは、同じく利用者である五人の老人。しかし、犯人の服色は「赤」「青」「白」「黒」「緑」と、なんとバラバラの五通りだった! 同じ部屋から目撃したのに、なぜ証言が食い違うのか? ありえない証言に加え、見つからない凶器の謎もあり、捜査は難航する。そんな中、メイの同僚・ハルが片思いしている相手に犯人の容疑をかけられる。メイはハルに泣きつかれ、ミステリ好きの素人探偵として事件解決に乗り出すことになるが……。


如何でしたか?今回のトリックの肝は食い違う服装の「色」です。私は、色の見え方が人とは違う色弱を用いた科学的な内容を扱う作品なのかな?と思ったのですが、違いました。
介護施設勤務経験がある作者さんだからこそ書けるトリックでした。

見つからない凶器の謎やその後発覚するアリバイの食い違いも介護施設で働いていたからこそ書けた内容だと感じます。

私も介護施設に勤務しているのですが、施設内の描写(周囲の環境や勤務体系)は本当にリアルでした。介護の大変さと施設利用者によりよいサービスの提供を行いたいという思いも作品からは読み取れて、読んでいてほんわかしました。

そんな介護要素満載で肝心のトリックも難解過ぎず、認識のズレを扱っていて読者も解ける人は多いんじゃないかな?
中盤あたりで全てのピースは出ているため最後の謎解きシーンを独力で解くことも可能です。ぜひ皆さん解いてみてください。

以上が感想でした。長々と駄文書いたのでそろそろこの作品の評価を行います。
星5個を満点とした場合…



★★★★☆  星4個です!!
登場人物、周囲の環境、トリックともに素晴らしかったですが、犯行動機の薄さと…登場人物が皆良い人なので誰が犯人でも悲しい気持ちになってしまうことです…。

読んで下さってありがとうございました。ではノシ